水が温むと、樹々が芽吹き、草花は一斉に咲き誇ります。フキノトウやタラの芽などの山菜に山が湧き立ち、鳥や虫たちが生命を謳歌しはじめます。 ほどなくして、木楢(こなら)の林にはミヤマクワガタやルリボシカミキリが見つかり、運がよければ、当家からもオオムラサキ(国蝶)が高い梢を滑空する姿が垣間見られます。
蕎麦を打ちながら、朝夕の空気がピンと張りつめてきたと感じると、周辺の樹々の葉が、瞬く間に紅や黄に染まりはじめます。 錦に彩られた森のなかでは、舞茸などの茸類、栗や胡桃が豊に実り、片品川では山女(やまめ)や岩魚(いわな)の産卵が見られるようになります。 行く秋を惜しみつつも、いよいよ雪の季節の到来です。